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アコーステイックギター製作工程 第二回 |
1. 弦長(スケール)とは? |
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上記は弦長640mmの場合の概略図(?)です。 ナットからサドル(支点から支店)の距離が640mmということです。 (厳密に言えば、ナットとサドルの高さが違えば距離は変わりますがここでは無視します。) その真ん中が12フレット(320mm)になります。 |
2. フレットピッチ(フレット間長)とは? |
フレットはどのような間隔で打たれているのでしょう。これは計算式があります。 ・1番目のフレット長 = 弦長 / 17.817 スケール長の640mmから始めます。 ・640.0mm / 17.817 = 35.9mm(小数点以下第2位四捨五入).....1フレット目 ・640.0mm - 35.9mm = 604.1mm ・604.1mm / 17.817 = 33.9mm(小数点以下第2位四捨五入).....2フレット目 ・604.1mm - 33.9mm = 570.2mm ・570.2mm / 17.817 = 32.0mm(小数点以下第2位四捨五入).....3フレット目 これを必要フレット数分計算を繰り返します。 |
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3. 音程がずれる? その1 |
いくら正確にフレットを打って正確に調弦しても音はずれます。 これは弦を押える力により弦に掛かっている力が変わるからです。 弦を押さえる力は個人で違うし、カポの締め付ける力も 違うと思います。 一般に、買ってきたギターは12フレットでチューニングが合うように調整されています(多分)。 (これをオクターブチューニングといいます。) |
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上図の様にサドル6弦側を後ろに移動しています。 これで12フレットでは少しは改善されると思われますが直線的に移動させただけでは完全では ありません。 一般に(例外があるかもしれませんが)2弦と6弦が#する度合が大きいので各弦によって後ろに移動 させる距離を変えます。(オフセットサドル) |
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これで12フレットで何とか合うと思います。 しかし、ローフレット(#1、#2、#3フレット等)を押さえて音を出すとわずかに#していると思います。 音の高さ(周波数)を表すセントという単位があります。 1オクターブが1200セントと定義されている。 「平均律」の場合、半音はこの1/12の100セント、全音はその2倍の200セントとなる。 半音とはギターでは1フレット分です。ここで、数セントの違いなら大して問題ではないのですが 20,30セント違うと明らかに違和感があります。 これを是正するためにはどうすればいいでしょうか。 |
4. 音程がずれる? その2 |
今度はナット側で調整します。 #する場合はナットをボディ側に移動、♭する場合はヘッド側にずらす。 ここでボディ側に移動するといっても指版があるのでできません。 2~3mm切ればいいと思いますが、大切なギターを.....そんな勇気はありますか? そこで簡単な?方法は、薄い板を弦の下に敷いてそこで移動量を調整します。 小生もチャレンジしてみましたが弦高をぴったり合わせるのが大変でした。 それとナット側の調整とサドル側の調整は相互影響しますので両方一体で調整しなければなりません。 ギターを製作する場合は最初から指板を短めに切って置き、ナットにオフセットをいれます。 これでほぼ全域に渡って我慢できる音ピッチになります。(程々に) |
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